米軍、ハリアー飛行再開を表明 墜落原因不明のまま 県、近く抗議へ


この記事を書いた人 金城 美智子
「安全性が確保できた」として飛行再開を発表するローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官=5日午前10時2分、北中城村のキャンプ瑞慶覧

 在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官は5日午前10時、米軍キャンプ瑞慶覧で記者会見し、9月22日に本島東沖で墜落したAV8Bハリアー戦闘攻撃機の飛行を今月7日以降に再開すると発表した。点検作業などで同型機全ての「安全性が確認された」と説明した。一方、翁長雄志知事は「原因究明までの飛行停止」を求めていたが、ニコルソン氏は事故が「システムか、人為的ミスか、整備不良によるものかは原因は特定していない」と述べた。調査完了までには数カ月を要するとした。

7日から飛行再開が決まったAV8Bハリアー戦闘攻撃機(後方)=5日午前8時56分、嘉手納基地

 米軍が「安全性が確認された」とした点についても、県側は詳細な説明を受けていないとして反発しており、県は同意を得る前の一方的な飛行再開の表明に対し、近く抗議する予定だ。

 原因究明前の飛行再開に県が反発していることについて、ニコルソン氏は「人々が何が起きたのかを知りたいことは知っているが、法律によって中途段階の調査内容は明らかにできない」と釈明。「沖縄以外の世界中でハリアーは飛び続けている」と安全性を強調し、日米同盟や操縦士の練度を維持するためにも再開は必要だと強調した。

 一方、県側が反発していることへの対応については「知事に敬意を持っており、引き続き開かれた対話をしたい。知事は同盟の強い理解者だ」などと述べ、飛行再開に理解を求める考えを示した。
【琉球新報電子版】