教員3割が過労死基準 時間外 月80時間超 沖教組調査


この記事を書いた人 新里 哲

 沖縄県内幼小中学校の教職員のうち約3割が厚生労働省の過労死認定基準となる月80時間以上の時間外勤務をし、100時間以上も17・8%いると推定されることが県教職員組合(沖教組)のアンケートで分かった。校種でも差があり、中学校では80時間以上が58・4%に上った。

 ほとんどの市町村で退勤時間を把握できていない状況下で、健康を害するほどの長時間勤務が続いていることが浮かび上がった。1カ月の平均時間外勤務は74時間45分で、2013年調査の92時間よりは改善した。

 この結果を受けて沖教組の山本隆司委員長は「10年以上も同じ問題が続いている。県内は病休者、特に精神疾患や妊娠に起因する疾病による病休者が全国でも飛び抜けて多い。児童生徒へのよりよい教育や、教員の人権を守るため、県や市町村予算での教員増や、部活指導への外部活用など思い切った施策を打つべきだ」と厳しく批判した。

 調査は14年12月~15年1月の1週間の勤務状況をアンケートで聞き、1カ月当たりの時間外勤務時間を計算した。離島を含む県内全域で、非組合員や臨時職員を含む858人が答えた。小学校が7割、中学校が3割を占め、幼稚園は1%台だった。

 回答者の年齢は20代が13・5%、30代が33・0%、40代が34・0%、50代が17・2%。

 平日の時間外勤務は、1時間未満は全体の3・4%しかおらず、2~3時間未満が最多の36・0%。平均は3時間7分だった。土日の2日間で、通常勤務の1日分に当たる8時間以上出勤した人は15・5%おり、2日分に当たる16時間以上だった人も4%いた。

 小中学校で比較すると、土日に出勤する人は小学校で32・0%だが、中学校は48・4%と半数近くに上り、勤務時間数も長い傾向にあった。(黒田華)