退職条件で労組と合意 南西石油、売却加速へ


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 親会社のブラジル国営石油会社ペトロブラスの日本撤退に伴い、身売り交渉に入っている南西石油(西原町)が7日、従業員の退職時の条件(退職パッケージ)について労働組合と大筋で合意した。ペトロブラスは南西石油の売却に当たり、約150人いる従業員のうち70~100人程度の早期退職を募る方針を示していた。提示が延期されてきた退職パッケージが大筋で合意に至ったことで、南西石油の承継先の決定に向けた動きが加速しそうだ。

 南西石油の承継先を巡っては、四国を拠点とする石油元売りの太陽石油(東京)が最終交渉先に絞り込まれ、ペトロブラスとの間で詰めの協議に入った模様だ。一方で、退職パッケージがまとまったことで、最大で100人に上る離職者の雇用対策も重要課題として浮上する。沖縄労働局ではこれまでに、緊急雇用対策推進本部を設置して再就職あっせんなどに対応する方針を表明している。

 労働組合側は、ペトロブラスの撤退後も南西石油に残る従業員の雇用条件については、今後承継先が決まった後に交渉する方針だ。

 退職パッケージについて、南西石油の経営陣は当初昨年5月に組合に提示すると説明していたものの、提示時期の延期を重ね、今年8月3日になって会社都合退職金や特別加算金、再就職支援を提示していた。