台風18号、暴風最大80メートルだった 琉大・気象庁が解析


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 琉球大理学部の古川雅英副学部長と山田広幸准教授は7日、西原町の同大でドップラーレーダーを用いて解析した台風18号の強度や構造を報告した。今回の解析により、久米島の西側約25キロ沖では久米島で観測された最大風速59・7メートルよりも強い、最大80メートル近い暴風が吹いていたことや、暴風の吹く領域が狭かったために気象庁の発表した予想最大風速値と久米島で実測された値に差が出たことを説明した。解析は琉球大学と気象庁気象研究所が共同で行った。

 ドップラーレーダーは台風に電磁波を当て、返ってくる反射波から風や雨の強さを測る。気象庁では現在、衛星画像による雲の形などで台風の気圧や風速を予想しているが、ドップラーレーダーは跳ね返ってきた周波数のずれから渦の強さを測定するため、風の分布や精度の高い風速などを測定できるという。

 台風18号の接近時に気象庁は3日、中心気圧905ヘクトパスカル、最大瞬間風速80メートルの予想を発表した。しかし久米島空港で最接近時に観測された最大瞬間風速は59・7メートルで、誤差があった。

 ドップラーレーダーから得た情報によると台風18号は、3日午後1~6時ごろまで910ヘクトパスカルを下回り、最大風速は80メートルだった。また暴風の吹く領域が非常に小さく、台風の目は半径15キロと通常の半分以下だった。風速80メートル近い暴風の領域は久米島の約25キロ西方沖に位置していたために観測値に差が生じた。