カヌー男子、當銘(県出身、新潟)が優勝 岩手国体


この記事を書いた人 志良堂 仁
   當銘孝仁

 【岩手国体取材班】第71回国民体育大会「2016希望郷いわて国体」のカヌー競技が8日、岩手県立御所湖広域公園漕艇場で行われ、成年男子カナディアンシングル500メートルに新潟代表として出場した當銘孝仁(沖水高-大正大、新潟・三条市体育協会)が1分57秒077で頂点に立った。

 當銘はスタート直後から首位に立つと、終盤まで勢いを落とさずに逃げ切った。同種目では三重県代表の大城海輝(沖水高-鹿屋体育大、三重県体育協会)が5位に入賞した。

◆當銘、最後は意地で勝負

成年男子カナディアンシングル500メートルで優勝した県出身の當銘孝仁(手前)と5位入賞した大城海輝=8日、岩手県立御所湖広域公園漕艇場(諸見里真利撮影)

 ゴールの目前、當銘孝仁(沖水高-大正大-新潟・三条市体育協会)が加速した。直前まで同じ沖水出身の大城海輝が必至に食らいついてきたが、「最後は意地で勝負に出た」。一気にペースを上げて、ゴールへ向けて一直線に突き進んだ。「勝負にこだわり最後までやり通して良かった」と充実した表情を見せた。

 練習や試合でしのぎを削っている大城を、普段からライバルとにらんでいる。「(大城が)ついてくると分かっていたので、どれだけ前に出るかが重要だと思った」と言う。スタートから「自分のペースでいこう」と冷静さを保ち、合図とともに抜け出した。中盤までレースを引っ張り続け、終盤に大城らライバルが追い上げてきても、「最後は我慢比べだ」と気持ちを切らさなかった。

 栄冠をつかんで「素直にうれしい」と口元を緩める。一方、練習で取り組んできた水を強くつかむこぎ方を十分には再現できなかった。「全体的なパフォーマンスは良くなかった」と課題も口にした。

 9月の日本スプリント選手権1000メートルで優勝するなど最近は結果を残しており、「やっと国内で勝てるようになった」と手応えをつかむ。目標とするのは東京五輪の舞台に立つことだ。「大城と一緒にメダルを取りたい」と県勢での表彰台を夢描く。(平安太一)