9千年前に思いはせ… 薮地洞穴遺跡ツアー開催 うるま市教委が初


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6千~9千年以上前の土器や貝塚などが出土した状況や遺跡について説明を受ける市民ら=2日、市与那城の薮地洞穴遺跡

 【うるま】うるま市教育委員会は3日、6千~9千年以上前の石器や土器などが出土している市与那城・薮地島の薮地洞穴遺跡ツアーを初めて開催した。1日3回の限定ツアーには、定員20人がいっぱいになるほど人が詰め掛けた。参加者らは「津波の堆積物もあるのか」「洞穴の奥にも遺物がある可能性は」など、数千年以上前の薮地島の姿を思い起こし、遺物が発掘された洞穴内を探索した。

 市教委は、2014~16年度の3年間で薮地洞穴遺跡の調査を実施。ガイドを務めた市教委の横尾昌樹さんは「まだまだ新たな何かが地層の中に埋まっているだろう」とまだ見ぬ発見に期待を膨らませる。「今回の調査では、膨大な成果があった。それをまとめた上で、今後も継続的な調査をしたい」とさらなる発見に意気込みを見せた。

 同遺跡からは、手や足の人骨も一部確認されているが、年代や埋まっている理由などについては現在調査を進めている。 市史跡ガイドの会で市内の史跡を案内する東照幸さん(68)は「市内にこんなすごい遺跡があると知り、勉強したくて参加した。8千~9千年前の貝がこうしてここから出たというのは、薮地島が生活の場だったのかと想像が膨らむ」と話した。