独特の世界観で笑顔に 自閉症の衣笠さん、沖縄で個展


この記事を書いた人 新里 哲
沖縄の風景を描いた作品の前で笑顔を見せる衣笠泰介さん(右)と母の珠美さん=7日、沖縄市のプラザハウスショッピングセンター(具志堅千恵子撮影)

 大胆な彩色と奔放な筆致で注目を集める衣笠泰介さん(27)=京都市=の絵画展が、23日まで沖縄市のプラザハウスショッピングセンター3階で開かれている。沖縄での個展開催は初めて。自閉症の衣笠さんだが、その絵画の独特な世界観は笑顔の輪を広げている。母の珠美さん(56)によると衣笠さんは幼い頃から言葉で表現する代わりに、物の形を正確に捉える能力に突出していたという。誰に教わらなくとも遠近法を取り入れて絵を描き、捉えた形を自分なりに工夫してデザイン化して周囲を驚かせたという。

 15歳で初めて個展を開いて以降、評判が評判を呼び、一昨年にはニューヨークで個展を開催。その作品は婦人服や着物の柄にもなっている。珠美さんは「泰介の絵を見ると無条件に楽しく前向きな気持ちになる、と言われる」と話す。

 沖縄をよく訪れるという衣笠さん。個展では三線、プラザハウスといった沖縄を描いた作品も並ぶ。

 絵画展はアトリエ名と同じ「Miracle(ミラクル=奇跡)」。入場無料で午前11時~午後7時。問い合わせはライカムアンソロポロジー(電話)098(933)1142。(大城周子)