興南(ハンド少年男子)逃げ切り決勝 いわて国体第9日


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ハンドボール少年男子準決勝 沖縄―長崎 後半、キーパーの動きを見てシュートを放つ渡慶次洸也=9日、岩手県の花巻市総合体育館(諸見里真利撮影)

 【岩手国体取材班】第71回国民体育大会「2016希望郷いわて国体」第9日は9日、岩手県内各地で行われ、県勢は11競技に出場した。空手では成年男子形の決勝で、喜友名諒が、開催県の岩手選手に2―3で敗れ、準優勝だった。ハンドボール少年男子は準決勝で29―25で長崎を制し、決勝に進出した。ボクシングの成年男子ウエルター級に出場した金城大明は判定勝ちで北海道代表を破り、決勝に駒を進めた。陸上競技では少年男子共通走り高跳び決勝で奥濱練真が2メートルで4位に入賞した。レスリングはグレコローマンスタイルの成年男子75キロ級の屋比久翔平と同85キロ級の與那覇竜太が準決勝に進出。同少年男子では、60キロ級の大城達人(北部農林)、同120キロ級の仲里優力(同)も準決勝に駒を進めた。

◆興南/渡慶次、有言実行の復調

 勝ち上がるごとにチーム全体が調子を上げれば、その流れで不調だった選手も奮闘する。準決勝は、これまでミス続きのライトバックの渡慶次洸也が覚醒したかのように1対1を積極的に決め、巧みなステップシュートで勝利に貢献した。

 2回戦と準々決勝では凡ミスが続いた渡慶次は「準決勝は挽回しますよ」と宣言した通りの活躍だった。平仲航と寺島健太のポストプレーや垣花涼の個人技はいつも通りさえていたが、この試合、渡慶次のパワープレーが追加された。ミスしても自分で補う活躍ぶりで点取り屋のポスト寺島と並ぶ計9点。黒島宣昭監督も主力の復調に「渡慶次の活躍で前半の点差をつけることができた」と決勝を前にひと安心した。

 守備では森田涼が相手エースの個人技を抑えて「今日の守備は手応え十分」と満足顔。攻撃で活躍できなかった豊里友輔も相手ポストに仕事をさせず、要所で相手攻撃の勢いを的確にくじいた。

 追い上げられていた最終盤、途中出場の山城光貴が「ラッキーボーイ」ぶりを発揮。左サイドの難しい角度から打たされた垣花や寺島を救うように、中央ライン際に位置取ってフリーでパスをもらい、連続2得点を挙げた。土壇場を乗り切る底力と運を味方にした沖縄が長崎を振り切った。

 決勝は、春夏連覇に続き、国体の優勝で3冠を目指す岩国工を擁する山口県。主将の平仲は「うちは春も夏も期待されながら勝てなかった。皆への感謝を胸に、全力を出し切って最後の大会を優勝で終わりたい」と意気込んだ。

 (嘉陽拓也)