高江伐採2万4000本 北部訓練場着陸帯工事 防衛局計画


この記事を書いた人 新里 哲
7月に資機材などが運び込まれた北部訓練場のメーンゲート上空=7月11日午後1時ごろ、東村高江(小型無線ヘリで撮影)

 東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事を巡り、N1、G、Hの3地区で計2万4262本の立木(りゅうぼく)が伐採される計画であることが11日、分かった。伐採範囲は少なくとも3・8ヘクタール以上で、国頭村内の2013~15年度の年間平均伐採面積5・2ヘクタールの約7割に当たる。沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが情報公開請求で沖縄森林管理署から入手した複数の資料により明らかとなった。

 数値は07年4月と08年8月に、沖縄防衛局長(07年は那覇防衛施設局長)が林野庁沖縄森林管理署長宛てに提出した「北部訓練場立木調査業務の調査報告書」や、防衛局と森林管理署の事前協議書に基づき、北上田さんが集計。G地区では林齢71年の広葉樹やリュウキュウマツなど1万490本の伐採計画が明記されているほか、N1では進入路を含め7307本が切り倒されることになっている。
 世界自然保護基金(WWF)ジャパン元主任で沖縄環境ネットワーク世話人の花輪伸一さんは「高木層の大量伐採により、残された周辺の樹木は強い直射日光や強風のあおりで相当なダメージを受けることになる」と指摘。さらに樹齢60年以上の幹が太くてしっかりとした樹木はノグチゲラやヤンバルテナガコガネなど希少種の営巣に最適な環境でもあるため、「伐採から波及する環境への負荷は計り知れない」と述べた。
 北上田さんは「やんばるでも特に自然度の高い場所で2万4千本以上伐採すれば確実に生態系が乱れ、取り返しのつかないことになる」とし、ヘリパッド建設を批判した。