動物描き、保護手助け やんばるの希少種題材


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
やんばるの生物を描き、保護活動に取り組む岡田宗徳さん=7日、那覇市天久の琉球新報社

 野生動物画家の岡田宗徳さん(45)=東京都=は、やんばるの森に生息する希少動物を描き、チャリティー個展を開くなどして自然保護活動に取り組んでいる。世界自然遺産登録を目指す動きがある中、「沖縄の自然を守る手伝いができれば」と思いを語る。

 もともとは犬や猫のペットを専門に描くイラストレーターだった。絵を通してもっと社会に貢献できないかと考えていた頃、沖縄でヤンバルクイナなど希少動物の保護に取り組む人たちと出会った。「『できることをやればいい』と言われて、もやもやしていたものが晴れた」。絶滅の恐れのある動物を中心に描くようになり、個展の収益を野生動物の保護活動を続けるNPO法人「どうぶつたちの病院沖縄」に寄付するなどしてきた。

 年に1度は沖縄を訪れ、国頭村安田の森でヤンバルクイナやケナガネズミ、リュウキュウヤマガメなどの野生動物を“取材”する。動物だけでなく土や草木も丁寧に描写するのは「鳥の鳴き声や川の水が流れる音が聞こえてくるような、見る人がその場にいる感覚になる絵を描きたい」と空気感を大切にするからだ。来年11月には沖縄で2度目となる個展も計画中で「絵を資料として残すのではなく、自然保護の手助けになりたい」と力を込めた。
(大城周子)