インド沖縄県人会が発足 「ウチナーンチュ精神」普及へ


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第1回インド沖縄県人会に集まった会員=8日、インド・グルガオン(提供写真)

 沖縄県人会組織がなかったインドで8日、沖縄県出身者ら9人が「インド沖縄県人会」を発足させた。首都デリー近郊のグルガオンで開かれた「第1回インド沖縄県人会」では、「いちゃりばちょーでー」「ゆいまーる」「万国津梁」といったウチナーンチュの精神を体現し、インドで沖縄文化の継承と普及を目指すことを確認した。

 会長は教員の仲里百代さん(浦添市出身)が就任。会員は教員の新里康さんと家族のいそのさん、心春さん、越君(以上那覇市出身)、政府機関に勤務する比嘉夢乃さん(北中城村出身)、製造業社員の喜納兼史さん(那覇市出身)、宮古島市に2年在住していた福田直樹さん(長崎県)、弟が県民と結婚して県内に住んでいる上野絢子さん(鹿児島県)の8人。

 日系企業の進出が相次ぐインドでは、他府県が先行して県人会を組織し、サークル活動も活発という。仲里会長が沖縄県人会の設立を模索していたところ、インドから第6回世界のウチナーンチュ大会参加を目指していた喜納さんから声が掛かり、各地に点在していた県民とつながった。

 第1回県人会では、三線で「安里屋ユンタ」「島人ぬ宝」などを演奏し、みんなで歌ったという。「子どもが毎日BEGINの曲を聞いて泣いている」「インドに来て沖縄の文化を学び直している」など、インド生活の様子を語り合った。

 仲里会長は「遠く離れて過ごしても沖縄を愛する心は変わらない。(生活が)不自由なインドでは、助け合いや人とのつながりが大事だ。『いちゃりばちょーでー』の言葉を胸に、沖縄県人会の仲間とインドを盛り上げたい」とコメントした。

 同会は沖縄在住のインド人やインドと縁がある県民らと共に、26日の世界のウチナーンチュ大会前夜祭パレードに参加する。大会への参加を目指していた喜納さんは「パレードでインド伝統の祈りの儀式『プージャ』を行う。沖縄、インド、世界の平和と発展を祈念したい」と述べた。(稲福政俊)

英文へ→Okinawa kenjinkai launched in India to promote “Uchinanchu Spirit.”