北部訓練場、違反ダンプで砂利搬入か 表示番号を無記載


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
荷台の後ろ部分に表示されるべきダンプ番号の表示が消えたまま砂利を搬入するダンプカー=7日午前9時15分、米軍北部訓練場N1地区ゲート

 【ヘリパッド取材班】米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で、砂利の搬入に使われているダンプカーに複数の法令違反の疑いがあることが分かった。ダンプ規制法に基づいて荷台の背面や側面に表示が義務づけられているダンプ表示番号がない車両が、これまで砂利を搬入してきたのが写真記録から確認できる。過積載につながる懸念がある、荷台の枠を高くする板状の「さし枠」を取り付けて道路運送車両法に違反しているとみられる不正改造の車両などもあった。

 沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんや沖縄平和運動センターの大城悟事務局長らは14日、沖縄総合事務局陸運事務所(浦添市)を訪ね、ダンプカーの法令違反に関し写真などを使いながら指摘し、指導するよう要請した。

 陸運事務所は内容を確認した上で対応を検討したい意向を示したという。北上田さんらは18日にも再度、陸運事務所を訪ねて対応方針を確認し、指導を求める予定だ。

 ダンプカーは左折時の巻き込みを防止するために助手席ドアの低い位置に窓があるが、工事に使用されたダンプカーにはこの窓に装飾を施すなどの不正改造の疑いのある車両もあった。

 ヘリパッド建設で県警はこれまで、砂利を積んだダンプカーを基地内に入れるために警察車両で先導して抗議行動をする市民らを排除し、県道70号の通行を規制するなどの対応を続けてきた。県警関係者はダンプカーに関し「現在まで、法律違反は確認されていない」との見解を示している。

 北上田さんは過積載などの可能性が高いと指摘し「陸運事務所は(パンフレットで)不正改造は犯罪だとしている。重量オーバーも本来なら警察が取り締まるべきだ」と強調。陸運事務所は不正改造に対し整備命令を出す権限があるはずだとも指摘した。