「親類捜したい」 ニューカレドニア沖縄県系3世3氏、情報提供呼び掛け


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世界のウチナーンチュ大会で来沖し、親族捜しの協力を呼び掛けた(右から)ベルナール・イキアラさん、ディック・ニシクマさん、ヤニック・サクモリさんとヤニックさんの夫のギーさん=21日、県庁

 第6回世界のウチナーンチュ大会で来沖しているニューカレドニアの県系3世にあたる3人が21日、県庁で会見し、親族を捜すために協力を呼び掛けた。3人は、ベルナール・イキアラ(イケハラ)さん(62)、ディック・ニシクマさん(63)、ヤニック・サクモリさん(62)。初来沖の3人は「親類と交流したい。先祖のお墓参りをしたい」などと話した。

 ニューカレドニアへの沖縄からの集団移民は1905年から3回にわたり、計800人余の男性が移住した。第2次大戦中に強制収容され、オーストラリアに送還されるなど、苦難の歴史だった。

 イキアラさんの祖父・池原新二郎さんは読谷村出身で第1陣として移住。オーストラリアに強制送還された後の行方は分かっていない。イキアラさんは「祖父に会ったことはないが、父親からよく話を聞いた。親族に会いたい」と話した。

ヤニック・サクモリさんが持っていた末吉業徳さんの写真

 ニシクマさんは、1カ月前に父・フクマトゥさん(91)を亡くした。「本当は父と2人で来る予定だった」と話す。フクマトゥさんから「沖縄に親せきがいる」と聞かされて育ったが、祖父の名前や出身地は分からない。親戚捜しを支援する沖縄ニューカレドニア友好協会顧問の三木健さんは「名前は口語で伝えられるため変化がある。ニシクマはグスクマなのではないか」と話す。

 サクモリさんの祖父・末吉業徳さんは名護市屋我地出身。強制送還後、日本に返された。その後、故郷で暮らしたことが分かっている。遠い親類が見つかったが、業徳さんに近い家族は見つかっていない。「祖父のお墓を見つけ、お参りしたい」と話した。

 三木さんは「彼らは自分たちが沖縄人系と分かっているが、沖縄がどういう所か知らず、アイデンティティーがさまよっていた。親せきに会うことは大きな意味を持つので、果たしてあげたい」と話す。

 3人は大会終了後の31日まで県内に滞在する。3人に関する問い合わせは(電話)090(8291)5267(沖縄ニューカレドニア友好協会)。