「もののけ姫に出てくるシシ神様のよう…」―。近所の人たちが見上げながらそう話すのは、那覇市安謝に住む比嘉安信さん(59)の庭にそびえ立つ8メートルのサボテンだ。バナナの実は13段も連なって実り、実だけで高さ90センチほどに。どちらも比嘉さんが、捨てられそうなところを“助けた”ことがきっかけだった。
サボテンは15年ほど前、捨てられそうになった鉢植えを持って帰り、庭に立てかけていたところ「自然に伸びた」という。台風のたびに先が折れたため、「かわいそう」と思った比嘉さんが支柱を立てると折れた先から新しい茎が出てさらに成長。比嘉さんはサボテンの生命力に感心する。
バナナは50年前、比嘉さんが小学生のころに米軍天久ハウジングエリアのフェンスにひっかかり、枯れかけていた苗を拾い、持ち帰って育てた。
「食べてみると甘くておいしかった」ので、引っ越しを続けながらも、大事に株分けをしてつなぎ、今のバナナにつながったと言う。