地元配慮、沖縄と差 整備は数年に1度 木更津オスプレイ定期整備


この記事を書いた人 金城 美智子
オスプレイの騒音を測定する防衛省の職員ら=24日午前9時ごろ、千葉県木更津市の陸上自衛隊木更津駐屯地

 防衛省は米軍普天間飛行場所属の米海兵隊輸送機MV22オスプレイが整備拠点化される陸上自衛隊木更津駐屯地で、オスプレイの騒音測定を実施し、陸自のCH47JAとの騒音を比較した。騒音測定は防衛省が木更津市の要請に応じたもので、地元への配慮がうかがえる。一方、県民大会での反対などを押し切り、騒音測定などが行われることもなく、配備数カ月前に接受国通報があった沖縄と対応の差は歴然で、二重基準と言えるほど際立っている。

 騒音測定に合わせ、駐屯地にはケネディ駐日米大使も訪れ、木更津市の渡辺芳邦市長に整備拠点化への理解を直接求めた。同時に当初予定されていなかった体験搭乗を防衛省側が設定するなど手厚い対応を見せつけた格好だ。

 政府は木更津駐屯地のオスプレイ整備拠点化について、菅義偉官房長官が24日の記者会見で「日米同盟をより強固にするとともに、沖縄の負担軽減につながる」と述べるように、沖縄の「負担軽減」と位置付けている。

 だが「負担軽減」という名は後付けとしか言えない。整備は数年に1回で3、4カ月かかる。木更津でも試験飛行などはあるが基本的には整備が行われるため、仮に沖縄で整備が行われた場合でもオスプレイが飛行しない期間は生じる。実際は定期的な整備でしかなく、沖縄の求める負担軽減とは懸け離れている。(解説・仲村良太)