沖縄県失業率改善3.7% 求人は2ヵ月連続減


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 県統計課は28日、9月の完全失業率(原数値)が前年同月比1・4ポイント減の3・7%になったと発表した。1992年11月以来23年10カ月ぶりの値で、2カ月連続で3%台となった。沖縄労働局(待鳥浩二局長)が発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0・04ポイント減の0・96倍で、2カ月連続の減少で4カ月ぶりに1倍を割り込んだ。

 完全失業者は前年同月比1万人減の2万6千人で、男性が1万7千人、女性が9千人だった。県雇用政策課は「入域観光客数が堅調に推移し、企業誘致を積み重ねたことが雇用環境の改善につながっている」と分析した。産業別では教育・学習支援業が前年同月比8千人増の4万9千人で、専門学校や塾の講師が増えているとみられる。

 沖縄の9月の有効求人倍率は全国47位で最も低かった。月間の有効求人数(季節調整値)は前月比3・4%(922人)減の2万5846人、有効求職者数(同)は前月比0・4%(108人)増の2万6823人で、求職者数が上回った。新規求人倍率(同)は前月より0・06ポイント低い1・53倍だった。

 有効求人倍率が下がった要因には、働きながら職を探す在職求職者が増えていること(新規で前年同月比6・7%増の1298人)や、事業所が人手不足で求人を前倒しするなど例年と異なる市場の動きがある。

 労働局は有効求人数が2014年9月と15年9月から、それぞれ約2千人ずつ増えたほか、14年から15年と15年から16年の上半期の有効求人倍率が0・14ポイントづつ上昇しているいるため「勢いは衰えていない」としている。待鳥局長は「好調な状態が続いていると判断している」と評価した。