次世代へ「沖縄魂」継承! 「世界のウチナーンチュ大会」閉幕へ


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【写真右】パネリストの(左から)照屋勇賢氏、普久原サオリ氏、新里航平氏 【写真左】議論を交わす(左から)コーディネーターの新垣誠氏、パネリストの山本・トム・健氏、司会の大城メロディ氏、パネリストのサンジブ・シュレスタ氏=29日、沖縄県那覇市

 沖縄県出身の海外移民やその子孫が交流する「第6回世界のウチナーンチュ大会」(同実行委員会)は30日、沖縄県那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で閉会式とグランドフィナーレを行う。閉会式で翁長雄志知事が10月30日を「世界のウチナーンチュの日」に制定することを宣言する。

 空手、琉舞、エイサーなど沖縄独自の伝統芸能を披露する。BEGIN、ディアマンテス、かりゆし58、琉球ディスコなど県出身の有名アーティストが花を添える。

 閉会式は事前申込制で、すでに募集は締め切られている。

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 大会3日目の29日は那覇市の市町村自治会館ホールで「ワールドウチナーシンポジウム」が開かれた。「異文化の人たちが共に生きる環境が、ゆいまーるといった共生の精神、ウチナーンチュの絆につながる」として、文化交流を促進する重要性が提起された。海外に住むウチナーンチュら5人が登壇し、遠く離れた地で移住者がウチナーンチュとしてのアイデンティティーを継承していく方策や、沖縄が多文化共生の島として歩んでいく方策について議論した。 

 シンポジウムは「次世代ウチナーンチュが世界に羽ばたき活躍するために!」がテーマ。ハワイ沖縄連合会の山本・トム・健会長、県出身で米ニューヨークを拠点に活動する美術作家の照屋勇賢さん、ペルー生まれの県系3世で中学時代から沖縄で暮らす普久原サオリさん、北谷高2年の新里航平さん、沖縄ネパール友好協会会長のサンジブ・シュレスタさんが登壇した。新垣誠・沖縄キリスト教学院大大学院教授が進行役を務め、パネル討論で議論を深めた。

 県系3世の山本さんは、沖縄とハワイの学生が互いの地域を訪問する交流事業が続いており「経験者の中から、副会長に就いて県人会に貢献する人も出ている」として、母県と交流する大切さを語った。

 海外で活躍する照屋さんは「ニューヨークで生き抜く上で(多文化で)協力する力が必要になった」として、沖縄アイデンティティーのゆいまーる精神が海外で生かされたと語った。