経済

10月の暑さ、沖縄の農家直撃 葉野菜栽培に遅れ、12月まで品薄か

気温がようやく下がったことを受け、レタスの植え付けを急ぐ農家=2日、沖縄県豊見城市

 10月の沖縄地方の平均気温が戦後最高の暑さを記録した影響で、沖縄県産葉野菜の植え付けが大幅に遅れている。成長に必要な冷え込みが足りないことに加え、害虫被害も深刻化している。全国的に台風や日照不足の影響から野菜が品薄となる中、例年なら11月ごろに始まる県産物の出荷に期待が集まるところだが、JAおきなわや農家は「出荷が本格化するのは12月中旬まで遅れる」と見通しを語る。

 沖縄県豊見城市田頭の農地でレタスを栽培している運天清次郎さん(66)の畑では、10月中旬になって苗の植え付けを始めた。例年より2週間遅れた。現在、農地約3千坪のうち植え付けを終えたのは600坪ほどにとどまっており、「10月に一度大雨が降り、土が湿ってマルチング(畑の表面をフィルムで覆う作業)もなかなかできなかった」と語る。

 近隣の畑で野菜を栽培する男性(49)はさらに深刻だ。10月前半に種を植えたホウレンソウは、発芽に適した低さまで気温が下がらなかったことから全滅した。順調に育っていた山東菜も、高気温が続いているために夏場を過ぎても虫の動きが活発で、葉が食われて出荷できなくなってしまった。「全部で30万円くらいの被害になるだろうか。もったいないけど、しょうがない。このまま野菜相場の高値が続いてくれないと厳しい」と肩を落とした。

 JAおきなわ豊見城支店によると、10、11月の出荷量は前年を大きく下回る見込みだ。昨年10月に小売店向けに600キロを出荷したホウレンソウは、今年10月の実績はゼロ。11月も前年の約6分の1の3トン程度にとどまる見込みで、生産回復は12月にずれ込む見通しだという。JAおきなわの担当者は「10月の高温やカタブイ(局地的な雨)が多く、葉物が厳しかった。育った野菜も品質に影響が出ている」と語った。

 全国的な品薄による野菜価格の高騰を受け、鈴鹿市(三重県)が予算内で食材を確保するのが難しいとして給食の提供を2日間見合わせるなど、影響が広がっている。県学校栄養士会によると、現段階で県内で給食を中止する動きは見られないというが、「献立からデザートを減らすなど、限られた予算でバランスの取れた献立づくりに苦慮している」と指摘した。
(知念征尚)