出て来い!一流ライダー 仲村さん、選手育成へ協議会設立


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「ライダーの育成を継続していきたい」と意欲を語る仲村幸之助さん=沖縄市泡瀬の東海輪業

 【沖縄】県内のバイクレース関係者や自動二輪車の販売業者らが、ライダー選手育成を目的とした「沖縄グローバルライダー育成協議会」を立ち上げた。代表は東海輪業(沖縄市泡瀬)の仲村幸之助代表(47)。幸之助さんの次男は県出身ライダーの第一人者で、現在アジアを股に掛けて活躍する優佑さん(23)。「息子だけでなく、その後継も育ってきている。継続して育成できる仕組みをつくりたい」と幸之助さん。沖縄のバイクレース業界の発展に思いをはせる。

 設立は8月29日付。9月10日の記念パーティーには桑江朝千夫沖縄市長ら関係者約150人が参加した。現在県内の業者20社以上が賛同している。きっかけは沖縄市のサーキット場構想。1年以上前から育成の仕組みに頭をひねってきた。レースや海外との交流事業の主催、ライダー留学などの活動を見込む。

仲村優佑さん

 趣味がバイクレースの幸之助さんは、優佑さんが6歳の頃から指導してきた。「息子の周囲にも才能のある子はいたが、親の事情などで続けられない子もいた。そういう子を支援できる態勢がつくれないかと思っていた」。協議会という形で、長年の思いを形にした。

 優佑さんはオフロードのモトクロスでレースを始め、その後ミニバイク、排気量250ccのカテゴリーにステップアップし、2014年には国内各サーキット場の上位者が参戦する全国大会で優勝。その副賞として、15年から活躍の舞台をアジアにも広げた。世界最高峰のバイクレース「Moto GP」など、目指すは世界だ。

 優佑さんが県外のレースを初観戦したのは中学2年の時。「高いレベルを見て、ステップを上げる必要があると感じた」。県外視察なども含め、協議会の活動に期待を寄せる。後輩に向けては「チャンスが来た時に、それをつかめるだけの力を今から養ってほしい」と助言した。

 幸之助さんのレーサー育成はまだ緒に就いたばかり。「他のスポーツと同じようにバイクレースを盛り上げ、ぜひ県内の人たちにも応援してもらいたい」と話し、一流選手の輩出、バイクレースの普及を見通した。