北部訓練場、アセス外の大規模道整備 国、4000本超伐採へ


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 米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設予定の「G地区」と国頭村の宇嘉川河口部を結ぶ訓練道の整備を巡り、沖縄防衛局が2007年に作成した環境影響評価(環境アセスメント)に、同訓練道の補修事業が含まれていなかったことが4日、分かった。県によると防衛局は10月28日に提出した環境影響評価検討図書で工法変更としているが、実際には同訓練道を新たに整備することになる。周辺立木(りゅうぼく)も重機などを使い4千本以上伐採する計画であることも判明した。

 県は同日、防衛局に工法変更は「実施すべきでない」との文書を手渡した。しかし防衛局は、環境アセスは法的義務のない自主アセスだとして、週明けにも再度民間ヘリにより資機材輸送する方向で調整している。
 県環境影響評価審査会の宮城邦治委員長は「これは工法変更ではなく、全く新しい事業だ。自主アセスは県民感情を逆なでしないための単なるアリバイづくりで意味がない」と批判した。県も07年の環境アセスで同工事が明記されていれば「知事意見を出すなどしかるべき措置・対処ができたはずだ」としている。
 県によると検討図書では全長約2・6キロ、道幅約1・2メートルの訓練道を補修するとしており、うち半分以上を重機を使った伐採に変更した。沖縄森林管理署が11月2日付で出した伐採に同意する文書によると、重機を使った伐採は約1・75キロに及び、直径46センチのイタジイを含む4694本の立木が伐採される。沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は「N1からH地区を結ぶ道路工事でも3千本超の伐採だった。とんでもない環境負荷になる」と憤った。