名護、宿敵下し花園 全国高校ラグビー予選


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 ラグビーの第96回全国高校大会県予選兼第8回大見杯争奪大会の決勝は4日、読谷村陸上競技場で行い、名護が30―19でコザを制し、3年ぶり16度目の優勝を手にした。名護は前半、15―5と試合を優位に進めて折り返した。FW陣のパワープレーから着実に得点を稼ぐと、バックスの俊足を生かして迫るコザの猛攻を要所でつぶし、リードを保ったまま逃げ切った

 名護は12月27日から東大阪市の花園ラグビー場で開幕する全国大会に県代表として出場する。組み合わせ抽選会は同3日。

◆モールで好機、FWが活躍/トンネル抜け、16強超えへ

名護―コザ 後半22分にトライを決める名護の仲本拓未=4日、読谷村陸上競技場(屋嘉部長将撮影)

 2年連続で高校ラグビーの聖地「花園」出場を逃していた名護が、先輩らの思いを胸に3度目の正直でその切符をつかみ取った。精神的にも苦しかったトンネルを抜けて全国へ羽ばたくフィフティーン。PRの安里大吾主将は「先輩らが打ち立てた全国ベスト16を超えなければ。戦ってきた相手チームの思いも胸に全力を尽くす」と、力を込めた。

 コザとの決勝。前半4分のペナルティーキックで先制した名護は、インゴールへ突き進むFWのモールが何度も好機をつくり出した。力負けしない密集戦の中からHO比嘉凱、NO・8具志堅用真、LO新城陸が抜けだしトライ。最後は相手のミスから、WTB仲本拓未が俊足を飛ばして飛び込み、勝利を決定づけた。チームは計4トライ、力を見せつけた。

 1月の高校新人、夏の県高校総体で優勝したが、9月の名護市長杯でコザに敗退。この敗戦を機に、勢い中心の攻撃だけでなく、着実に敵陣に食い込む新たな戦術を猛練習し形にした。辺土名斉朝監督も「この試合はFWの活躍に尽きる」と、敗戦から成長した選手らの姿に目を潤ませた。

 パワープレーで相手守備を崩した比嘉が「皆でつかんだトライ」と語るように、優勝旗を手にし、さわやかに泣き笑うメンバーの絆は強い。辺土名監督は全国へ向け、「体格は小さいがボールをしっかりキープし得点につなげる。そして、ベスト16に並ぶチームに仕上げていく」と、選手らが大舞台で活躍するプランをイメージした。
(嘉陽拓也)