【ハワイ】沖縄から平和メッセージ 児童生徒の作品展示


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ハワイ大学ウエストオアフ校で開かれた、平和のメッセージ展で広報を担当するジャズミン・サリバイさん

 9月29日から10月11日にかけて、ハワイ州カポレイ市にあるハワイ大学ウエストオアフ校図書館にて沖縄県の児童生徒が創作した平和のメッセージが展示された。この展示は同大学で開講されている博物館学の授業プロジェクトの一環として行われたもので、授業担当のクリスティ・メロ教授の指導の下、学生が展示、広報、会場運営などに取り組んだ。展示された図画、作文、詩は沖縄県平和祈念資料館主催の児童生徒の平和メッセージ展で過去2年間に入賞した作品で、今年2月にハワイ沖縄センターにて展示された作品。

 ハワイ大学ウエストオアフ校3年生ジャズミン・サリバイさんは広報を担当した。ラジオ局や教育機関への直接のコンタクトやソーシャル・ネットワークキング・サービス(SNS)を通してメッセージ展の宣伝に取り組んだ。

 来場者のデータを集計した学生グループによると、この展示会の感想として「戦争や平和がいかに子どもに影響を与えるかを考えさせられた」という意見が多くの年配者に見られる傍ら、若者は「自分がいかに自国の外で起こったことに無知であるかに気付かされた」という内容の感想が多いという。

 展示担当は展示会がオープンした後も、より効果的に来場者が作品を鑑賞できるように、会場レイアウトに随時修正を加えてきた。平和は皆でつくるものという考えから、会場に感想や平和についての意見を掲示できるスペースがある他、写真共有アプリ「インスタグラム」を利用してオンラインでも来場者が感想や写真を投稿できるような学生独自の仕掛けがなされた。

 ジャズミンさんが好きな作品は2014年に高等学校図画の部で最優秀賞を受賞した当時首里高の上間ともみさんの「命どぅ宝」。

 「描かれている母親の優しく包み込むような表情に人々が求める安心と平和が表れているように思われる」とジャズミンさんは言う。海を越えて、沖縄の子どもたちが発信した声がハワイに届く機会となった。
(矢部久美子通信員)