6割「保育士不足」 那覇市認可園、園長会調査で報告


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 那覇市内の民間認可園の約6割が保育士不足を感じていることが、那覇市園長会のアンケートで分かった。

 保育士を対象に同会が初めて実施したアンケートでは、保育士不足の要因として賃金の問題を挙げた保育士が最も多かった。市園長会は、調査結果を踏まえて各園で保育士の負担軽減などに取り組むほか、処遇改善に向けて行政に働き掛けるとしている。

 アンケートは5月と10月に、市内の民間認可園69園を対象に実施した。

 5月のアンケートでは、勤務3年目までの新任保育士と勤務5~10年目の中堅保育士計152人を対象に行い、そのうちの98%が答えた。保育士不足の要因に関する質問(複数回答)には「賃金の問題」を選んだ保育士が最も多くて125人、「仕事が過重」が82人、「時間外労働」が64人と続いた。

 負担に関する質問(複数回答)では、保育日誌などの「記録」が97人、「行事の準備」が54人、「土曜保育の利用」が41人だった。適正な賃金について聞いた質問には、新任保育士は25人が「17万~20万円」、中堅保育士は48人が「21万~25万円」と答え、それぞれ回答数の半数を占めた。

 一方、10月に園長を対象にしたアンケートでは回答率は84%だった。そのうち約6割の36園が保育士不足を感じていると回答し、不足数は計46・5人だった。

 市園長会予算対策委員会の宮里美代子委員長は「保育士の本音が聞けて良かった。結果に基づいて各園で改善できることから取り組み、行政にも働き掛けたい」と話した。