共生へ互いを理解 蒼生学園が地域交流会 宜野湾


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宮永英一さん(舞台上左端)のライブで盛り上がる来場者ら=10月30日、宜野湾市の長田小学校

 【宜野湾】「蒼生学園地域交流会感謝の祭典」(同実行委員会主催)が10月30日、宜野湾市の長田小学校で開かれた。カラオケ大会や歌手の宮永英一さんのライブなどが催され、会場は盛り上がった。会場では社会福祉法人蒼生の会が運営する障がい福祉サービス事業所「蒼生学園」と、障がい者就労支援施設「美ら風」の利用者らが手作りした木工品やパン、お菓子などの販売もあった。

 地域交流会は毎年開いており、20年以上続いている。蒼生学園と美ら風は18歳以上の療育手帳所持者が対象で、59人の利用者がいる。交流会では利用者と地域住民がカラオケ大会に出たり、ダンスをしたりするなどして親睦を深めた。

 長田区自治会長で実行委員会の富濱宗俊委員長は「他者を知り、理解するためには何かを共有することが大切だ。地域交流会は長田の住民が福祉を学び、他者を理解する教育の場にもなっている」と話す。

 蒼生学園の砂川好彦園長は「相互理解が何より大切だ」と地域交流会の意義を強調する。7月に神奈川県相模原市の知的障がい者施設「津久井やまゆり園」で19人が刺殺され、27人が負傷した事件が起きた。「知らないから『いなくなっていい』と思うのではないか。人の命はみんな一緒だ」と事件を非難した。

 利用者の仲間拓也さん(26)は小学5年の時に事故で生死をさまよい、左足が不自由になった。「交流会は地域の人と楽しく遊べる。会話が苦手な仲間ともちゃんと通じ合える。みんな一緒に楽しく暮らしたい」と語る。富濱委員長は「蒼生学園があることは長田区の住民にとっていいことだ。今後も交流会を継続していきたい」と力を込めた。