コラソン快勝 JHL トヨタ紡織九州に31―27


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 日本ハンドボールリーグ(JHL)の琉球コラソンは13日、浦添市民体育館でホーム戦を行い、トヨタ紡織九州に31―27で勝利した。今季の成績は5勝1分4敗で順位は6位のまま。この試合は琉球新報社の冠試合だった。コラソンは、セットプレーから何度も仕掛ける攻撃でリズムをつくり、前半は15―11で折り返した。後半は退場が相次ぐ苦しい場面もあったが守って速攻につなぎ、得点を重ねた。

 次戦は20日午後2時に浦添市民体育館で北陸電力と対戦する。(観客数863人)

▽男子
琉球コラソン(5勝1分け4敗)
 31―27(15―11,16―16)
トヨタ紡織九州(1勝9敗)

 【評】琉球コラソンは格下のトヨタ紡織九州を相手に攻撃でリズムをつくり、優位に試合を進めた。単発なプレーではなく、全員で攻めて好機を広げ、相手守備の裏を突くプレーを何度も成功させた。守備では早めのプレッシャーで個人技が多いトヨタ紡績の攻撃を封じ、速攻につなげる安定した展開をつくり、快勝した。(嘉陽拓也)

◇内容に戦力アップ実感 全員連係の攻撃で圧倒

前半 味方同士のパスで相手守備を崩し、フリーでシュートを決める名嘉真吾=13日、浦添市民体育館(屋嘉部長将撮影)

 ちぐはぐな攻めで大敗した6日の大同特殊鋼戦とは打って変わり、この日の琉球コラソンは、全員の連係攻撃でトヨタ紡織九州をきっちり抑えた。石川出と趙顯章の両エースだけに頼らない戦術を表現した試合に、水野裕紀選手兼監督は「リーグ後半戦を戦う上で得点源が増えるのは理想の形だ」と、戦力アップを実感した。

 鍵は攻撃中のボールを持たない選手の動きだった。パスワーク中に、両サイドの選手が走り込んで相手守備の形を崩す。そこに石川や趙らのセンターの選手が攻めて中央の守備を引き付けると、ポストの松信亮平や伊計勇太らも相手守備を揺さぶり、好機をつくった。相手守備がカバーに入れば、センター陣が再び左右に展開してスペースをつくり、名嘉真吾らがフリーで決めて点を稼いだ。

 的を絞らせない攻撃で点差が開くとプレー全体に余裕が生まれ、守備でも堅守速攻につないで流れをつかんだ。

 後半は2人の退場が重なるなど、流れの悪い時間帯もあったが、好セーブを連発していたGK石田孝一が踏ん張り、リードを詰めさせなかった。

 全員で好機をつくる攻めの姿勢について、臨機応変なプレーが得意な石川は「自分で点を決めるか、他の選手を生かすか割り切りやすかった」と話し、プレーの幅の広がりを実感。20日に浦添市民体育館で行う北陸電力戦に向けて「戦術の精度を上げていきたい」と力を込めた。(嘉陽拓也)

◇守護神・石田好セーブ連発

味方の退場で守備が薄くなる中、好セーブを見せるGK石田孝一(嘉陽拓也撮影)

 この日は、GK石田孝一が味方を勢いづけた。開始早々から好セーブを決め、ゲームの流れを引き寄せると、そこから計11度のシュートをはじき返した。勝利につなげた守護神のプレー。石田はゲームのMVPに選ばれた。

 味方の守備が、相手の個人技を封じて苦しい体勢で打たせる。そこを「相手の癖を研究して試合中に調整していく」石田が守り、速攻につなげた。相手右サイドから精度の高いシュートを何度も決められたが、味方の退場が相次ぐ苦しい場面では、持ち前の守備力の高さを発揮した。

 結果を残した石田は「勝たないとプレーオフ進出は厳しくなる。年内は残り2戦。1戦1戦を大事に、チーム力で戦えば負けない」と、さらなる活躍を誓った。