高校野球の第41回県1年生中央大会最終日は20日、コザしんきんスタジアムで決勝を行い、未来沖縄が9―2で沖縄工を下した。未来沖縄は創部2年目で初出場、初優勝を果たした。
未来沖縄は二回に同点に追い付くと、三回に2点を追加。五回の攻撃中に雨で1時間45分の中断があったが勢いはとどまらず、この回で一挙4点を奪って突き放した。
共に初の決勝の舞台に立った沖縄工は、初回の先制以降は得点できなかったが、最終回に1点を挙げ粘りを見せた。
未来沖縄の先発・新垣龍希は11安打を浴びたが要所を締めて2失点に抑えた。初戦から決勝までの4試合全てを完投した。
◇要所で集中力発揮
要所で集中力を発揮した未来沖縄が、14安打9得点で快勝、創部2年目で初の栄冠を手にした。神山昂監督は「練習でやって来たことが存分に出せた試合」とナインをたたえた。
初回に先制されるも二回に振り出しに戻し、三回には3連打で2点を追加。五回は雨による中断を挟んだ1死一、三塁から、敵失と安打を絡めて一挙4点を挙げ、八回にもダメ押しの1点を追加した。相手投手の球筋を見極め、引き付けて打つことを確認。勝負どころでは安打や走塁、バント、スクイズなど多彩な攻めでつなぎ、得点に結び付けた。
守りではバッテリーを含めた守備陣の落ち着いたプレーが光った。まずは、五回。エースの新垣龍希が先頭に死球を与えてしまった後、「自分が出してしまったので取り返そうと思った」と続く打者を3者連続三振で抑えた。
六、七回には走者をけん制で仕留め、走塁が持ち味の沖縄工の反撃の芽を封じた。
新垣は久米島出身で、捕手山城翔也は今帰仁村出身だ。2人は少人数で質の高い練習を積み甲子園を目指す未来沖縄に共感。故郷を離れ、仲間と切磋琢磨(せっさたくま)する。
入部以来、休みは夏の1日のみで野球漬けのナインは練習量を自信に変えている。「2年生と一緒に春以降の大会でも上位を目指す」(宜保翔主将)とチームは新たな一歩を踏み出す。(崎原有希)