キングス、痛い連敗 Bリーグ第17戦


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第2クオーター、レイショーン・テリーがリング下にドリブルで切り込む=23日、沖縄市体育館(花城太撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区4位=8勝8敗)は23日、沖縄市体育館で京都ハンナリーズ(同5位=6勝10敗)と今季第17戦を行い、54―69の大差で惨敗した。キングスは第1クオーター(Q)から簡単なシュートを決められず、わずか9点しか奪えない苦しい立ち上がりになった。インサイドを切り崩す京都の外国籍選手に苦しみ、前半で27―37とリードされた。第3Qはホームデビュー戦となった新加入のレイショーン・テリーが積極的にリングを攻めて点差を詰めた。しかし要所でミスを犯し、リードを20点以上まで広げられて白星が遠のいた。キングスは26、27の両日、愛知県のウィングアリーナ刈谷でシーホース三河とアウェー2連戦を行う。(観客3350人)

京都 7勝10敗
69―54(21―9,16―18,22―11,10―16)
キングス 8勝9敗

 【評】キングスが攻守で良さを見せられず大敗を喫した。第1Qからことごとくシュートを落とし、守備では京都のインサイド陣に簡単に得点を許した。第2Qから第3Qの中盤にかけてキングスが追い上げたが、京都が勝負どころで点を決めて振り切った。(平安太一)

◆選手を迷わせた
 伊佐勉HC(キングス)の話 ゲームプランの遂行レベルが低く、選手を迷いながらプレーさせてしまった。もう少し選手を乗せたかった。第1Qの点差は想定内だったが、第2Qにもう少し挽回できた。やりたいバスケができなかった。

◆積極的に足動かす
 浜口炎HC(京都)の話 アグレッシブに足を動かして、いいチームディフェンスができた。アウェーではエネルギーがないとゲームにならない。インサイドを攻めながらアウトサイドでも得点できたことが良かった。

◆攻守機能せず悪循環

 これまで築き上げてきた「強いキングス」の姿は粉々に砕け散った。フリーで放つシュートを連続で外し、持ち味だったはずの堅守は簡単に崩される。京都にリードを広げられると積極性は消滅し、雑なプレーが目立った。攻撃も守備も機能しない悪循環から抜け出せず、満員の観客のため息だけがコートに残された。

 小さなミスの積み重ねだった。第1Qは大宮宏正や波多野和也が京都の外国籍選手を相手に体を張り、序盤はどうにか持ちこたえた。しかし連携を深める京都の攻撃陣に対応できず、内外から得点を許した。攻撃ではうまく相手守備をかわしながら、最後のシュートを決められなかった。

 第2Qから第3Qにかけて「ホームでいいインパクトを与えたかった」と言うテリーが攻撃を引っ張り、一時は6点差まで詰め寄った。キングスが勢いに乗りかけたが、ターンオーバーを重ねて流れを手放した。伊佐勉HCは「やってはいけない場面で(ミスが)出た」と悔しがる。

 ホームでは10月23日の名古屋戦から4連敗。主将の岸本隆一が「(チームが)いいとは言えない」と感じているように、今はどん底の状態だ。伊佐HCは「必ずカムバックする」と誓う。今や見る影もなくなった「強いキングス」が戻ってくる日を多くのファンが待っている。(平安太一)