カストロ氏死去 キューバ革命主導 社会主義は弟堅持へ


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 【ハバナ共同】キューバ国営テレビによると、1959年1月の革命以来、約半世紀にわたりキューバの最高指導者として君臨し、世界中の左翼運動に影響を与えたフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日、死去した。90歳。弟のラウル・カストロ国家評議会議長が明らかにした。2006年7月に腸内出血で手術を受けた後、08年2月に元首である議長職を引退していた。

 絶対的な指導者を失ったことで国民の動揺は避けられない。ただ、カストロ氏は既に全ての主要な公職から退き、跡を継いだラウル氏が安定した政権運営を行っており、社会主義体制は当面、堅持される見通し。
 米政府はカストロ兄弟が率いるキューバを「圧政国家」と非難し民主化圧力をかけてきたが、オバマ米政権は大きく方針転換し、両国は15年7月に国交を回復。16年3月、オバマ大統領が現職米大統領として88年ぶりとなる歴史的なキューバ訪問を果たした。
 カストロ氏は11年4月には共産党トップの第1書記からも退任。その後も断続的に政府系メディアで対米批判を続けたが、国民の前に姿を見せる機会は減っていた。