徳本、女子走り高県新 秋季県民体育大会


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 第68回県民体育大会秋季大会は26日、八重瀬町東風平体育館で開会式を行い、南部各市町で本格的に開幕した。陸上は女子走り高跳びの徳本鈴奈(糸満市)が1メートル80の県記録を樹立、男子棒高跳びの桃原傑(島尻郡)は5メートル10の大会新記録で優勝した。相撲は浦添市が5年ぶりの団体優勝に加え、米須貴良が個人一般、與那嶺海斗が青年の部を制して全3部門を制覇した。空手男子組手団体は宜野湾市が制した。同個人は仲程一織(沖縄市)、一般男子形は下村世連(浦添市)、同女子形は與那覇綾子(中頭郡)が頂点に立った。柔道は糸満市が制した。

◇晴れ舞台 1メートル80越え

女子走り高跳び 1メートル80のバーを跳び越え、自身の持つ県記録を更新した徳本鈴奈(糸満)=26日、西崎陸上競技場(又吉康秀撮影)

 女子走り高跳び、福岡大2年の徳本鈴奈(糸満市)が12年ぶりに大会記録を9センチ更新、自身が持つ県記録も2センチ上回った。同種目としては小柄な1メートル64の体で記録を塗り替え、会場からも「歴史の瞬間に立ち合えた」と感嘆の声が漏れた。

 出場10人で2位とは25センチ差。登場した1メートル63から独り舞台だった。1メートル71の大会タイまでを一発クリアし、高校時代から目標に掲げてきた「1メートル80の壁」に狙いを定めた。1本目は力が入り、2本目は足上げが遅れたが、体はバーを越えていた。「次は絶対に飛べる」

 確信とは裏腹に、鼓動は大きく、速くなる。「落ち着け」と言い聞かせ、持ち時間をフルに使い頭の中にイメージをつくり上げた。準備は整った。

 ゆったりと助走を開始。徐々に加速し、一気に踏み切って伸び上がる。すらりと伸びた四肢でバー上に美しい弧を描いた。会場は高校時代の練習場。「地元でありシーズン最後。気合が入っていた」。大声援に包まれた最高の舞台で目標を達成。今季の日本ランキング5位の記録だった。

 来季の目標はユニバーシアードの標準記録を2センチ上回る1メートル86。走力と最後に踏み切る筋力の向上を掲げ、冬季トレーニングに臨む。(崎原有希)