県酒連に「党支部」提案 自民、税制延長見返りか


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 来年5月に期限切れを迎える酒税の軽減措置を巡って、延長を要望している県酒類製造業連絡協議会(県酒連、会長・嘉手苅義男オリオンビール社長)に対し、自民党が職域支部の設置を持ち掛けていることが26日、分かった。税制改正の議論が大詰めを迎える中、業界側の要求の見返りとして、自民が党勢拡大の取り組みを求める構図が浮かび上がる。税を政治の取引材料に利用する動きも疑問視されそうだ。

 自民党の職域支部は、業界団体などで50人以上の党員を集め、党の許可を得て発足させることができる。各業界の政治連盟と違って党組織の一部に位置付けられ、業界内の要望を上げやすくなるほか、選挙で立候補者を出すこともある。

 県酒連は、県酒造組合やオリオンビールなどで組織。党税制調査会での議論を前に嘉手苅会長や関係者が相次いで党本部を訪れ、二階俊博幹事長や武田良太副幹事長に延長を求める要請を重ねており、政治決着に期待する動きを見せている。県酒連の関係者は自民から職域支部設置の提案があったことを認めた上で「具体的な話し合いはしていない」と語った。酒税を含む沖縄関連の税制9項目は29日の審議で判断される見込みだが、特に酒税には厳しい目が向けられている。