千代皇、入幕ほぼ手中 大相撲九州場所で楽日勝ち越し


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 大相撲九州場所千秋楽は27日、福岡国際センターで行い、西十両2枚目の千代皇は小柳を寄り切りで下し、8勝7敗と勝ち越し、来場所の新入幕をほぼ手中にした。

 千代皇(中部農林高出)は鹿児島県の与論島出身。

 初日から2連敗するなど今場所は苦しい戦いが続き、11日目を終えた時点で4勝7敗と黒星が先行していた。それでも12日目から4連勝で8勝7敗と勝ち越しを決めた。「周囲から『今場所勝ち越したら、幕内に上がれるぞ』と言われていたので意識はしていた」とうれしそうに話した。

 2013年夏場所で新十両を迎え、十両で計21場所も過ごした。14年に西十両2枚目まで番付を上げ、入幕の期待も高まった。しかし同年の夏場所、名古屋場所は7勝8敗で、あと一歩で勝ち越しを逃した。一進一退を続けてきた25歳の力士は「幕内はうまい人がたくさんいる。悪いところを見直して頑張りたい」と大舞台での活躍を期した。

 高校時代に千代皇を指導した県相撲連盟の木崎智久副理事長は「ここまで我慢して戦い続けてきた」とまな弟子をたたえた。

 本人から電話があり、入幕に向けて結果が出せたことを報告され、「亡くなった九重親方に恩返しができると話していた」という。12月には沖縄巡業を控えている。「沖縄の子どもたちの憧れる力士になってほしい」と願った。