県、泊市場移転先送り 漁業者合意得られず 最長5年後


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 泊魚市場(那覇市)の糸満漁港への移転計画について、県は漁業者の合意が得られていないため、2017年度当初予算で糸満新市場の実施計画策定の予算申請を見送る。20年完成を目指していたが最短で1年、最長で5年程度遅れることが確実になった。1日に那覇市の水産会館で開かれた県と県漁連、那覇市、移転に反対する那覇地区漁協など7団体の4者協議で、県水産課が明らかにした。

 県は来年度の実施設計に向けて、国の補助金を受ける「タイムリミット」を11月と見ていたが、交渉がまとまる見通しが立たず、予算要求を断念した。移転計画は維持し、関係団体と調整を続けていく。県によると、漁港整備で国の補助を受けるには水産庁が5年ごとに見直す「漁港漁場整備長期計画」と関連付ける必要があるが、来年度から始まる次期計画に当初から反映することも断念した。計画年度途中から盛り込むにはハードルが上がるため、最悪なら5年後となる次期計画策定を待つ可能性もある。