米国防長官にマティス氏(海兵隊出身) 同盟重視、辺野古推進か


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】トランプ次期米大統領は1日、オハイオ州シンシナティで演説し、新政権の国防長官に米海兵隊出身のジェームズ・マティス元中央軍司令官(66)を指名する方針を明らかにした。トランプ氏はマティス氏を「偉大な将軍」と評価し、国防長官として「最善だ」と強調した。5日に正式発表する。

 マティス氏は2015年1月の上院軍事委員会の公聴会で、アジア太平洋地域について「私たちが軍事力を縮小するにつれて、より強力な同盟の必要性が重要になる」と述べ、日本など同盟国を重視する考えを示した。また、アジアでの安全保障の課題として、南シナ海での活動を拡大させる中国を挙げ、「中国が南シナ海やその他の地域で脅すような役割を続けている場合、対抗する力を持つ政策を取らなければならない」と毅然(きぜん)とした対応をすべきだと強調。海軍と遠征軍を強化する必要性を訴えた。

 マティス氏はオバマ政権下の2010年に中東を管轄する中央軍司令官に就任し、13年に退役した。「狂犬」のあだ名を持ち、激しい物言いで知られる。中尉として、うるま市のキャンプ・コートニーの第3海兵師団でライフル小隊・武器小隊の指揮を執っていた。マティス氏が就任すれば、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設を強硬に推進していく可能性もある。

 文民統制の観点から連邦法の規定では元軍人は退役後7年間は国防長官に就任できない。退役から3年のマティス氏の就任には、連邦議会から規定の免除を受ける必要がある。トルーマン大統領が1950年、この規定の免除を適用してマーシャル元陸軍参謀総長を国防長官に指名している。