骨髄バンク協力して 娘亡くした畑中さん、たすきに思い込め


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◆第32回NAHAマラソン

「骨髄バンクにご協力ください」と書かれたたすきを掛けて走った畑中年明さん=4日午後、那覇市

 NAHAマラソンに出場3回目の会社員、畑中年明さん(60)=兵庫県=は「骨髄バンクにご協力ください」と書かれたたすきを掛けて走り、3時間41分47秒で完走した。畑中さんは8年前、当時28歳だった次女・朋子さんを白血病で亡くした。「移植を待っている人が2千人以上いる。骨髄バンクを覚えてほしいという思いで走った」と話す。

 畑中さんは37年前にも、おいの島田和幸さん=当時小学6年生=を白血病で亡くしている。当時は骨髄バンクはなかった。12年ほど前、趣味でマラソンを開始。その後、朋子さんが発病した。「まさかそんなことになるとは思わなかった。きょうだいから骨髄の移植をしたが、うまくいかなかった」

 その後、マラソン大会にたすきを掛けて出るようになった。沿道から「骨髄バンク、頑張れ」と声援を受けるたびに、手を振って応える。今大会では特にうれしいことがあった。たすきを見た女児が、母親に「何て書いてあるの」と質問していたのだ。母親が教えるのが聞こえた。「娘の苦しい治療を見てきた。マラソンのタイムは気にしない。このたすきを見て、一人でも多くの人が骨髄バンクを覚えてくれたらいい」と話した。