【国頭】11月27日に国頭村宜名真漁港で開かれた宜名真フーヌイユまつりでは、国頭村と鹿児島県与論町がこれまで続けてきた交易を今年初めて再現した。
シイラは沖縄で「マンビカー」と呼ばれるが、宜名真では「フーヌイユ(運のある魚)」と呼ばれる。パヤオ(浮魚礁)を仕掛けた引き縄漁の技法は、宜名真で300年前から受け継がれてきた。長年、宜名真区や村民の生活を支えてきた魚だ。
山入端立全区長は「300年の歴史のある技法をPRしていきたい。祭りの中身も年々充実させて、多くの人に宜名真を訪れてほしい」と語った。
まつり会場では、フーヌイユのバター焼きやマンビカバーガー、国頭村と交流の深い鹿児島県与論町の特産品も販売され、来場者は舌鼓を打った。
戦前から国頭村と与論町は資材や家畜などの物物交換をしてきた交易の歴史があり、今回はその交易を再現させた。与論町の久留満博副町長からはヤギ2頭、国頭村の宮城久和村長は木材をそれぞれ出して交換した。
国頭村辺野喜から訪れた東恩納寛さん(59)は「楽しいから毎年来ている。過疎化が進む地域で、地元が盛り上がる大きなイベントとしてとても大切な取り組みだと思う」と語った。