「古里 破壊しないで」 郷友会が国、宜野湾市に要請 神山に調整池


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佐喜真淳宜野湾市長に要請書を手渡す佐喜真進氏(右から2人目)=5日午前、宜野湾市役所

 【宜野湾】宜野湾市の米軍普天間飛行場内にある字神山集落跡地に米軍の冠水被害を防ぐ目的の調整池が造成される計画を巡り、字神山郷友会は5日午後、嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ「古里の土地を破壊しないでほしい」と要請した。防衛局の池田眞人企画部次長は「他の場所も検討した結果、現在の予定地が選ばれた」と説明し、計画の見直しについては触れなかった。

 池田氏は基地内での冠水被害を写真で示すなどして事業概要を説明した。要請内容は中嶋浩一郎局長に伝えると述べた。

 郷友会は現場を確認するため、基地内への立ち入りを申し込んだ。また「他の場所で造成できない根拠は何か」「市文化課が進める基地内文化財の保護・活用についての見解は」など8項目の質問状を提出し、正式な文書で回答するよう申し入れた。要請後、取材に応じた郷友会の宮城真一元会長=市神山=は「集落跡に造ってほしくないと強い要望を伝えたが進展は無かった」と語った。

 郷友会は5日午前、市役所に佐喜真淳市長を訪ね、防衛局に郷友会の要望を伝えて計画変更を求めるよう要請した。佐喜真市長は「防衛局への要請結果を情報提供してほしい。相談があればその都度、担当課で対応する」と答えた。市から防衛局への要請について具体的な予定は示さなかった。

 防衛局は「業務調整」、市は「面会」の予定だったとして要請は非公開だった。