米軍、つり下げ訓練「継続」 民間地飛行を否定


この記事を書いた人 新里 哲

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが6、7の両日、宜野座村城原の住宅地上空でつり下げ飛行訓練を実施した問題で、在沖米海兵隊は8日、琉球新報に6日の訓練について「飛行訓練は訓練場内で行われた」「定められた飛行経路を飛んだ」と回答し、訓練場外でのつり下げ訓練を否定した。その上で同訓練は練度維持に必要で「今後も継続する」と明言した。一方、沖縄防衛局は職員が訓練の様子を確認した上で6日夜に中嶋浩一郎局長が米軍に強く抗議しており、認識の違いが浮き彫りになった。

 県は防衛局の現認には一定の信憑(しんぴょう)性があるとした上で「いずれにしろ周辺住民に影響を与えている。訓練場所を変えることが必要だ」と反発している。8日、沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ねてつり下げ訓練に抗議した當眞淳宜野座村長は、米軍機の上空飛行を防止するため集落に設置した「航空標識灯」について「全く意味をなしていない状況だ」と批判し、米側に上空飛行を避けるよう伝えてほしいと要請した。

 防衛局は8日、琉球新報の取材に「米軍の訓練に当たっては、周辺住民の生活に妥当な配慮を払うべきだと考えている」とした。6日に続き米軍が7日もつり下げ訓練を行ったことを踏まえ、「改めて十分な配慮を米側に求めている」とした。

 米海兵隊は琉球新報に6日の訓練は「定められた飛行経路と着地帯を使用した」とした。飛行経路は「風の状態、安全考慮、人口密集地や住宅街上空の飛行を極小化することを踏まえて選択した」と回答した。

 県の運天修基地対策課長は「風向きや安全を考慮したとしても、周辺住民に影響を与えている。ヘリパッドは他にもたくさんあり、ここでなければ訓練できないということはないはずだ。地元への配慮が足りない」と批判した。

 當眞村長は沖縄防衛局への要請後、「つり下げ訓練を行わず、民間地に近いヘリパッドはできれば使用しないよう求めた」と述べた。中嶋局長からは謝罪があり、米軍に伝えて対応したなどと答えたという。

 また、當眞村長は「訓練がいつまで続くのか分からないことも不安だ。大規模な訓練時は通知してほしい」とも求めた。中嶋局長から「ハードルが高いかもしれない」との返答があったという。