報道の原点問い直す 早稲田大シンポ、沖縄県内2紙への圧力


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 【東京】早稲田大学ジャーナリズム研究所(花田達朗所長)は8日、同大学で沖縄の2紙がなぜ「偏向報道」と批判されているのかなど、ジャーナリズムの原点を問い直すシンポジウムを開いた。琉球新報の普久原均編集局長、元ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏らが登壇し、権力から独立した自由な報道の必要性を説いた。花田所長は政府の沖縄2紙への攻撃は「客観性、公平、中立という言葉でジャーナリズムに『死ね』と言っている。黙っていられない」と問題提起した。

 ファクラー氏は沖縄と中央の歴史観、アイデンティティーの違いなどから差別の構造があるとした上で「米軍基地に怒りがそらされている。米軍基地がなくなれば差別の構造がよりはっきり見えるのではないか」と主張した。普久原編集局長は「沖縄の新聞社は県民の民意に突き動かされている。(批判する側は)民意が邪魔だから偏向だとレッテルを貼っている」と指摘した。