「幻の食材」カレーリーフ、沖縄産が人気 4年で5倍


この記事を書いた人 志良堂 仁

 インドカレーなどに使われるスパイス、県産「オオバゲッキツ(通称カレーリーフ)」の需要が高まり、那覇植物防疫事務所での検査実績が4年で5倍と急増している。植物防疫法により、病害虫の移動を防ぐためカレーリーフを県外へ持ち出す際には検査を受ける必要がある。同事務所によると、2015年の検査実績は過去最高の166件、275キロとなり、今年は8日時点で120件、約240キロと前年並みで推移し、毎週平均5キロのカレーリーフを検査している。

 那覇植物防疫事務所では08~10年までカレーリーフの生葉検査実績はゼロだったが、12年に年間53キロと急増し、13年は前年比3倍超の163キロと大幅に伸びた。増加する理由について、同事務所は「東京などのカレー店などでカレーリーフの需要が高い。幻の食材とも言われている」と説明する。病害虫のミカンキジラミがカレーリーフの苗木などに付着しやすいため、県外へ持ち出す前に検査を受けるよう呼び掛けている。

 沖縄は年間を通して温暖な気候のため、県外に比べてカレーリーフの生育環境に適している。ハーブ栽培に取り組む県内農家は「ここ数年、カレーリーフを含めパクチーなどアジアンハーブの需要が高い」とし「アジアンハーブなどは寒さに厳しいので、県内ハーブ栽培農家は秋に植えて、冬に収穫し本土へ出荷するパターンが最も多い」と語る。

 オオバゲッキツは中国南部からインドシナ、インドに分布し、国内は沖縄など一部で栽培している。葉を香辛料として用いるが、乾燥すると香りが薄くなるため、生葉が重宝される。