一括交付金不用額236億円 市町村57事業「廃止」 12~15年度


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 県と市町村が2012~15年度の4年間に実施した沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)の予算総額3238億円のうち、年度内で執行できないなどで事業全額が不用額となったのは236億円(7・3%)だったことが県の資料で分かった。一括交付金の交付が決定したものの結局「廃止(中止)、遂行困難」となった事業は市町村で57件だった。うち7件は次年度に繰り越したが、事業完了できず、1億896万8千円の不用が生じた。内閣府は17年度沖縄関係予算の概算要求で、不用額の多さなどを理由に16年度比138億円を減額した668億円としており、不用額にはこれまで以上に厳しい目が向けられている。

 実施した事業数は延べ6480件で、執行額は2831億円(予算の87・4%)だった。県実施の1074事業で廃止はなかった。

 市町村で廃止となった事業は2012年度に18件、13年度17件、14年度11件(2件で1事業の事例あり)、15年度が4件で年度ごとに減少している。次年度に繰り越したが廃止となった7件は4市2町1村で12年度に6件、14年度1件だった。

 事業廃止となった事例では、伊平屋村の林産副産物生産支援事業(12年度、交付額1416万円)が、シイタケなど林産副産物の圃場(ほじょう)などを整備する予定だった。しかし、造林地が台風で被災し計画の見直しが必要となり取り消した。

 繰り越しを経て廃止になった事業ではうるま市の石川イベント公園駐車場整備事業が、高速道路の高架下に駐車場を整備しようとしたが、管理者と協議が長引き、12年度に繰り越しをしたものの年度内完了が見込めず事業を廃止。不用額は6035万円だった。

 同様に糸満市は12年度に太陽光エネルギー利用設備合理化事業(12年度繰り越し)で庁舎に効率の高い太陽光パネルを設置しようとしたが、費用対効果が見込めず繰り越して、結局廃止した。交付額1304万円が不用となった。

(金良孝矢)