冬のドイツ 街はクリスマス色 小物、スパイス、お菓子ずらり 4週間かけてカウントダウン


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 寒さがしんしんと身に染みる冬のドイツ。最近は日も短くなり、夕方早くに暗くなる中、うれしいのがクリスマスマーケットだ。ドイツ各地でテントや小屋が大小立ち並び、さまざまな手工芸の小物やスパイス、菓子類などさまざまな商品が販売されている。ドイツのクリスマスのお祝いは長く、4週間をかけてじっくりカウントダウンをしながらムードが高まっていく。ゴシックの大聖堂の傍で開かれるケルンのクリスマスマーケットや歴史あるニュルンベルクのマーケットなどに、世界中から多くの観光客が訪れる。

クリスマスを前に、大勢の買い物客でにぎわうケルン大聖堂前のマーケット=3日、ドイツ西部のケルン

 昨年は和柄の生地を使って手作りしたはがきや小物入れなども店頭に並んだ。普段は目にすることができないガラス細工など職人による実演などもあり、客を楽しませている。

 食事やお酒などの飲み物の屋台も多く、ワインをスパイスや果物などと一緒に温めたグリューワイン(ホットワイン)が身体を芯から温める。温めたリンゴジュースやココアなども人気だ。この時期、ドイツの街角はグラスを片手に集まっておしゃべりを楽しむ人々の姿であふれている。

 マーケットには観覧車やスケートリンクなど、子ども向けの施設も並ぶ。マーケットの開かれる広場の中央で羊や馬、ラクダなどを柵で囲み、動物と触れ合える場所も。そのほか、イエス・キリストの生まれた馬小屋を人形で再現した「クリッペ」も飾られている。

 パン屋などでもこの時期はナッツやドライフルーツなどを練りこんだ焼き菓子「シュトーレン」や香辛料の効いた「レープクーヘン」などが各店技を競うように販売されている。溶かした砂糖を絡めたアーモンドの入った紙袋を手に、次々と並ぶ人々。人並みに押され、にぎわうマーケットを訪れるだけで心が躍る。

 クリスマス4週間前の日曜日、11月27日は第1アドベント(降待節)だった。この日、4本のろうそくで飾られたアドベンツ・クランツ(リース)の1本目に火が付けられる。各家庭で手作りする人も多く、幼稚園などでも子どもたちが工作してクランツを作る。

 12月に入ると、24日まで毎日一つずつ小さな贈り物が入っているアドベントカレンダーを開ける。チョコレートなどのお菓子のほか、香水、化粧品などが詰められたカレンダー。クリスマス商戦も激しい中、親子で手作りする家庭も多い。6日は、貧しい人に施しを与えたとされる「聖ニコラウスの日」で、子どもたちはこの日さらにニコラウスからプレゼントがもらえる。(田中由希香通信員)