「欠陥機の証し、撤去を」 名護、宜野湾市長が防衛局に抗議


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 名護市安部海岸部へのオスプレイ墜落を受け、稲嶺進名護市長は14日、墜落現場を2回視察した上で沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ね、抗議した。稲嶺市長は「事故現場は集落の目と鼻の先で、一歩間違えたら大変なことになっていた。事故当時イザリ漁をしていた市民もいた。怒りはもはや言葉で表すことはできない」と抗議した。その上でオスプレイの配備撤回や辺野古新基地建設を直ちに中止・撤回するよう求めた。

 稲嶺市長は13日午後9時37分から午後11時56分まで市内の騒音数値の紙を見せながら「低空で遅くまで訓練をしているのはルール違反だ」と指摘した。

 中嶋局長は米側から聞き取った事故概要の紙を渡し「飛行が不安定になって万一を考えて海岸沿いの浅瀬に着水した」と説明した。稲嶺市長は「理解できない。飛行が困難になったのであれば着水ではなく『墜落』に該当するのではないか」と反論した。

 稲嶺市長は同日午前、市役所でも記者会見し「数秒の差で集落に墜落していたかもしれない。オスプレイが欠陥機ということを今回の事故が証明している」と強調した。

 佐喜真淳宜野湾市長も同日、中嶋局長を訪ね「市民は常に危険と隣り合わせだ。一刻の猶予もない。固定化は絶対あってはならない」と抗議し、徹底した事故原因と公表、一日も早い普天間飛行場の閉鎖・返還を求めた。中嶋局長は「原因究明と再発防止、安全が確認されるまでの飛行停止は(防衛局が)米軍に要請している」と答えた。

 要請後、佐喜真市長は普天間飛行場の名護市辺野古移設について「宜野湾市は市街地で住民が多く住んでいる。オスプレイを操縦しているパイロットがそのまま(普天間に)帰還する判断をした時には大きな事故になる」などと答えた。

 佐喜真市長は市役所でも「恐れていた事が起こった。万が一、普天間飛行場周辺で起こった場合は大惨事になりかねない」と強い懸念を示していた。