米軍単独で規制線 現場近くの浜、日米指針を逸脱


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 【名護】名護市安部の海岸に墜落した米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの残骸の一部が15日、米軍によって墜落現場から約800メートル離れた浜に引き揚げられた。残骸が置かれた浜と軍用トラックの待機場所をつなぐ搬出通路を確保するため、米軍が単独で浜の広範囲に規制線を張った。その後、視察に訪れた名護市議らの抗議を受け、規制範囲を約30メートル四方に縮小した。事故現場で米軍が単独で規制線を張ることは米軍機事故に関するガイドライン(指針)上、原則認められておらず、米軍が主導し現場を取り仕切っている様子が見られた。

浜を分断する形で張られた規制線の中で、機体の残骸を片付ける米兵ら=15日、名護市安部

 事故現場の立ち入り規制の手続きなどを定めた「合衆国軍用航空機事故に関するガイドライン」は、事故現場至近の「内周規制線」について「特別の場合を除き、日米共同で人員が配置される」と定めており、米軍が単独で立ち入り規制線を管理する規定はない。米軍が「見物人」を整理できるのは、日本の警察や海上保安部が到着するまでの間に限定されている。

 ガイドラインでは通常、内周規制線の外に日本側が設定する「外周規制線」を張ることになっているが、浜の規制線は一つしかなく、米軍が設置した後、県警機動隊員約20人が規制線を警備した。

 米軍の規制線について、名護署は「一時的に残骸を浜辺に置くための措置がとられているのは把握しているが、米側の規制線が張られているということまではきちんと確認していない」と話した。

英文へ→US military deviates from aircraft accident guidelines to singlehandedly section off Osprey wreckage to singlehandedly section off