熊本復興願い完走 糸満の親川さん、被災地在住の娘にエール


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 【南部】熊本の復興を願い100キロを走り続けた親川達也さん(49)=糸満市。熊本の大学に通う長女の七菜さん(20)に誓った完走を見事に果たした。「何に対しても諦めない気持ちを子どもたちに伝えたい」と爽やかに語った。

熊本にいる長女・七菜さんへの思いを胸に家族全員で100キロ完走を果たした親川さん一家。(左から)次女の親川夏菜さん、達也さん、広美さん、伊計利江さん=18日、与那原町の与那古浜公園

 毎年、NAHAマラソンに参加しているという親川さん。熊本市の熊本保健科学大学2年の七菜さんが熊本地震で被災。大学も被害を受け、一時沖縄に避難した。

 親川さんは、七菜さんと熊本への思いを背中のゼッケンに「熊本の復興を願う」と、くまモンのイラストと共に記した。七菜さんにゼッケンの写真を送ったら「泣いていた」という。

 「フルマラソンは3時間で終わるけど、100キロはきつかった。練習は40キロしか走っていないので、初めて100キロ走った」と親川さん。記録は、目標の12時間30分より速い11時間47分57秒。「糸満市役所の50キロ地点までは大丈夫だったが、その後がきつかった」と振り返る。後半、上り坂は歩き、何とか無事に完走を果たした。

 妻広美さん(50)は「第1回大会で、年も年で新しいことに挑戦することもないので勧めたみた。まさか走るとは思わなかった」と完走を驚いた。

 次女の夏菜さん(17)は「お父さんも頑張ったけど、お母さんたちも給水頑張ったよね」と話した。広美さんとその姉の伊計利江さん(60)=南風原町=は車で先回りし、2キロおきに給水しながら応援した。「私たちは車で100キロ走った。私たちも完走証がほしいね」と笑った。

 家族全員で100キロ完走を勝ち取った親川さん一家。「一日も早い熊本の復興を願っている」と語った。