子牛取引177億円で過去最高 16年沖縄県内市場22%増


この記事を書いた人 新里 哲
購買者の前で子牛を披露する牛農家=19日午前、宮古島市の宮古家畜市場

 沖縄県内で今年の締めくくりとなる宮古家畜市場、多良間家畜市場の子牛競りが19日に行われ、JAおきなわがまとめた2016年の県内8家畜市場での子牛の取引実績(速報値)は前年比21・8%増の177億1715万円となり、過去最高を更新した。1頭当たりの平均価格も前年比21・6%(13万円)増の73万6千円と過去最高を記録した。子牛の取引頭数は全国的に減少傾向が続く一方、国内景気の回復を背景に牛肉需要が伸びていることを反映した。

 子牛の取引頭数は0・1%増の2万4060頭となった。2009年の2万7621頭をピークに減少傾向が続いていたが、県が実施する子牛を産む優良雌牛の導入・保留事業や、10年以降続いている子牛の平均価格の上昇を追い風に、減少に歯止めがかかった形だ。

 取引の内訳は雌牛が0・8%減の1万179頭、去勢は0・8%増の1万3881頭。取引金額は雌牛が19・8%増の68億1865万円、去勢は23%増の108億9849万円だった。

 70万円の大台を超えた1頭当たりの平均価格は、11年の35万4千円に比べて2倍に達した。取引総額も1・8倍に迫る勢いを見せている。

 JAおきなわ畜産部は、10年の宮崎県の口蹄(こうてい)疫や11年の東日本大震災の影響で、全国的に出荷頭数が減っていることが高値の背景にあると指摘し「全国的な子牛の減少傾向は来年も続くとみられ、取引価格は引き続き好調を維持するとみている」と語った。