墜落から6日でオスプレイが訓練を再開した。バラバラに壊れた機体が目に焼き付いている沖縄県民からは「あまりに早い」と懸念を顧みない米軍の姿勢に強い批判が広がった。再開初日は那覇上空も飛行。「沖縄を何だと思っているのか」と、飛行再開を容認した日本政府に対しても県民の憤りが高まっている。
嘉数高台公園でウオーキング中の奥間俊満さん(69)=宜野湾市嘉数=の上をオスプレイが飛んだ。奥間さんは「ひどい。最低だ」と声を荒らげる。自宅は飛行ルート下。「本土の人は何を思うのか。沖縄ではアメリカのやりたい放題だ」といら立ちを隠さなかった。
宜野湾市喜友名の飲食店で働く女性(48)が店の片付けをしていると、独特の騒音がとどろいてきた。「また平気で飛ばすんだ。命が軽視されている」と失望感をあらわにした。
19日夜、名護市民会館で開かれた新たな基地建設に反対するシンポジウムに参加した比嘉美津江さん(64)=同市=は「胴体着陸も同時に発生している。人命にかかわる事故が起こってからでは遅い。今こそ県民が怒りの声を上げないといけない」と力を込めた。
東村高江に住む伊佐育子さん(56)は「これを許していいのか、県民が問われている」と話した。またオスプレイがこの日離着陸した伊江村の反戦平和資料館の謝花悦子館長は事故状況を説明しない米軍について「県民をばかにしている。道理も何もない」と批判した。
南城市のスーパーで買い物を終えたばかりの赤嶺栄子さん(66)=南風原町=は「県民の生活を無視しているようだ」と指摘。
仕事のため那覇市にいた会社員の上村英之さん(34)=沖縄市=は「原因を解明してから再開するべきで、早過ぎると思う」と話し、会社員の荻堂盛涼さん(55)=那覇市=は「うるさいし、危ない。オスプレイの飛行そのものに反対だ」と切り捨てた。
那覇市の女性(80)は「日本政府は自分たちさえよければそれでいいのか。沖縄のことをよその国の様にしか考えていないのではないか」と批判した。