【電子号外】辺野古 沖縄県が敗訴 最高裁、上告退ける


この記事を書いた人 金城 美智子
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 翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日午後、上告審の判決を言い渡し、県の上告を退けた。国の請求を認め、承認取り消しは違法だとした福岡高裁那覇支部の判決が確定した。判決を受けて翁長知事は年内にも承認取り消しを「取り消す」見通しで、国は年明けにも埋め立て工事を再開する構えだ。一方で、翁長知事は辺野古への新基地建設阻止の姿勢を堅持する方針を示しており、新基地建設を巡る県と国の対立は新たな局面に突入する。

 不作為の違法確認訴訟の一審・高裁那覇支部は9月16日、翁長知事による承認取り消しは違法だとして、同取り消しの違法性の確認を求めていた国の主張を全面的に認める判決を出した。県は判決を不服として、同23日に上告していた。最高裁は12月12日、口頭弁論を開かずに判決を言い渡す決定をし、判例や法令違反に関する県の上告受理申し立ての一部を審理の対象とするとした。

 普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、仲井真前知事が2013年12月27日に沖縄防衛局による埋め立て申請を承認。辺野古新基地建設阻止を公約に当選した翁長知事が15年10月13日に承認を取り消した。代執行訴訟での和解を経て、国は16年7月22日に不作為の違法確認訴訟を高裁那覇支部に提起した。
【琉球新報電子版】

英文へ→Digital Edition Extra: Supreme Court dismisses Okinawa’s appeal in Henoko lawsuit

米軍キャンプ・シュワブと大浦湾2016年12月14日午後、名護市辺野古沖合から本社チャーターヘリで撮影
最高裁に入る沖縄県の代理人らを乗せた車両=20日午後2時20分ごろ