屋比久 グレコ連覇 レスリング全日本選手権


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連覇を決めて晴れやかな表情を見せる屋比久翔平(右)と父の保さん

 レスリングの2016年度全日本選手権大会第2日は22日、東京の国立代々木競技場第二体育館で行い、男子グレコローマンスタイル75キロ級で屋比久翔平(浦添工高―日体大)が2年連続の優勝を決めた。屋比久は初戦の2回戦をテクニカルフォール(Tフォール)で快勝すると、続く準決勝は2―0のポイントで競り勝ち、決勝は3―1で白星を手にした。グレコローマンスタイル98キロ級では志喜屋正明(浦添工高―国士舘大出)が3位に入った。

◆屋比久、磨いた体力で競り勝つ

 磨き上げた体力でライバルに競り勝った。グレコローマンスタイル75キロ級の決勝戦。屋比久翔平(浦添工高―日体大4年)の相手は、これまで何度も激戦を繰り広げてきた阪部(自衛隊体育学校)だ。最後まで運動量を落とさずに攻め続け、相手が消極的と見なされたことによるポイントで白星を手にした。連覇を決めて「勝ててほっとしている」と表情を緩めた。

 終盤に勝負を仕掛ける作戦だった。第1ピリオドは体格とパワーで上回る相手に押し込まれ、技を仕掛けようとしてもうまくいかなかった。攻撃が消極的だとして注意を受けたが「(注意は)想定内で全く問題はない」と動じなかった。第1ピリオドは互いに1点ずつを取り合い、迎えた第2ピリオドは「勝負だと思った」と積極的に出た。

 思うように技が決まらない時間が続いたが、足を止めず前に出ることで相手が消極的だという印象を審判に与え、ポイントを獲得した。「僕の方がスタミナはあるので最後の2分くらいでポイントを取るつもりだった」とうなずく。

 今年はリオ五輪の出場を逃して悔しさを味わった。4年後の東京五輪を目指し、「世界で勝つことを意識して練習をしてきた」と強調する。今大会の決勝では技によるポイントが奪えなかったことから、「もっと練習しなければ」と反省も忘れない。目標は「東京五輪で金メダルを取ること」と宣言する屋比久が、これからも躍動する。
 (平安太一)