首里城で奉納祭「美御水」 新年へ平和と健康祈念


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
王家に献上するための「美御」水を運ぶ行列=25日午後4時すぎ、那覇市の首里城内

 新しい年に向け、沖縄県那覇市の首里城で25日、同県国頭村辺戸の「若水」を首里城に献上する伝統行事「美御水(ヌービー)の奉納祭」が行われた。王府の役人にふんした一行が、首里城正殿裏で待ち構えていた高級女神官の阿母志良礼(あむしられ)役の女性に若水を献上し、来る年の平和と人々の健康長寿を祈った。

 行事は首里当蔵町自治会が主催した。

 美御水を首里城に献上する神官役を務めた首里クェーナ保存会の玉城弥生会長(66)は、神聖な伝統的行事を終え「1年で最も大切な行事が終わり、やっと新年を迎える準備ができる」とほっとした様子。美御水の終着点である正殿裏が未公開区域になっていることに触れ「早く整備されて、多くの人に見てもらえるようになってほしい」と話した。

 首里城を訪れた観光客らは、厳かな行列に見入り、写真や動画に収めていた。
【琉球新報電子版】