【アメリカ】人の優しさ町の魅力 ボストンに学ぶ沖縄観光


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全米でも人気都市上位にランクされるボストンの街並み=11月、米マサチューセッツ州

 マサチューセッツ州の州都ボストンは、歴史ある学術都市で全米でも人気都市上位にランキングされている。交通網が整備されていることが理由の一つだ。

 空港からバスと地下鉄でダウンタウンのホテルに向かったが運賃は無料(空港へ向かう時は2ドル50セント)。どこへでも歩いて行ける。

 都会でありながら美しいガーデンや公園が数多くあり自然豊かで海に面し新鮮な魚介類が豊富だ。歩行者に優しい通りを観光客は徒歩で名所旧跡をたどることができる。ボストン人が歴史を誇りにしていることを感じたが、それより何よりボストン人の親切心にはほっこりさせられてしまう。

 地下鉄のホームで高齢のおばさまに間違いを指摘され、向かいのプラットホームに移動。なんとそのおばさまは、われわれが着いたのを確認し、さらに大きな声で懇切丁寧に行き方を再度説明した上で立ち去って行った。どこに行っても皆、笑顔で優しく接してくれたのは感動ものだった。

 さてさて、今回里帰りの際「ウチナー若者の態度なってないのでは?」と県人会会員から不愉快な経験を聞かされた。カウンターでの対応がまずかったホテル。従業員に笑顔がなく慇懃(いんぎん)無礼だったり無愛想だったり。シーツが換えられていなくて苦情を言ってもわびさえなかったよう。コンビニで宅急便を頼んだところ、宅急便センターから空港税を支払うよう電話がきた。不慣れな店員のミスなのにわびはなかった。

 苦言のもう一つは、車社会沖縄の狭い道を車を避けつつ緊張しながら歩かねばならないことだ。横断歩道では歩行者が優先のはずだが、止まってくれない危険極まりない非常識な運転手が散見された。観光立県を考える上で、沖縄をアピールしていくには客対応や環境整備に問題ありとみた。

 沖縄で魅力ある所は、北中城村の大城部落と本部町の備瀬部落だと思っている。住民の優しさが随所に現れている。人に優しい町は魅力ある町であると痛感する。(鈴木多美子通信員)